2009年03月21日

野生と餌付け

動物と人間の「共存」に関する興味深いニュースがありました。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
エサ禁止、細る宮島のシカ 数増え、市が半減策
2009年3月15日18時42分

世界遺産・厳島神社がある宮島(広島県廿日市市)で、「神の使い」と大切にされてきたシカが増えすぎ、餌不足からやせ細っている。しかも、子どもがかまれるなどトラブルが多発したため地元は餌付けを禁止し、観光客向けのシカせんべい販売も中止。09年度から5年間で市街地の頭数を半分に減らす対策を打ち出した。専門家からは「このままでは絶滅しかねない」と危ぶむ声も出始めた。

 宮島のシカは、戦後間もなくは数十頭から100頭ほどだったが、観光資源として奈良から連れてくるなどして増え、今では島全体に450〜500頭いる。約180頭が集中する市街地では餌不足が深刻化。ゴミ箱をあさり、庭の花を食べ、あちこちにフンをするなどの被害が問題となった。07年11月〜08年2月には幼児がシカに指をかまれる事件が十数件相次いだ。

 市はシカせんべいの販売を業者にやめてもらい、08年初めには「餌をやらないで」という看板を桟橋前に立てた。さらに市は同年3月に「対策協議会」を設立。厳島神社や観光協会の関係者、大学准教授らが話し合った結果、市街地のシカの半減をめざすことで合意した。観光客に人気のため駆除はしないが、餌を与えず、代わりに市街地に芝地をつくることなどを検討。09年度に死体を解剖して死因や栄養状態を調べる。

 県の調査では、市街地の1歳のオスの平均体重は21.5キロで、本州側のシカの半分ほど。角の発達も遅れている。

 市の対策には異論もある。市民団体「宮島の鹿を救う人道支援の輪」代表の竹中千秋さん(61)は「人間が餌付けして、邪魔になると餌をやらないのはおかしい」。シカの保護を県と市に求める署名をインターネットで呼びかけたところ、これまでに国内外から3600通余が集まったという。

 生態学が専門の鈴峯女子短大講師の林勝治さん(70)は「餌やり禁止だけでは、人に依存し続けたシカは急激に個体数が減り、絶滅する危険性がある」と指摘する。

 一方、環境NGO「広島フィールドミュージアム」の金井塚務代表(57)は餌不足でシカがゴミをあさり、異物をのみ込むことを心配する。シカを見守る組織をつくり、餌やり禁止とゴミの処理の徹底で、人との分離を図るべきだと提言。「森にはドングリなどシカの食べ物はまだ残っている。自然の中で生きるシカの生活を取り戻してあげることが大切だ」と話す。

 奈良公園のシカは57年に天然記念物に指定され、現在約1100頭。奈良県によると、傷つき弱ったり、畑を荒らすなど問題を起こしたりしたシカは財団法人「奈良の鹿愛護会」が保護している。
(江戸川夏樹)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「観光資源」としてシカを利用してきたものの、増えすぎたため、
半減させるための対策を講じる。

「人間のエゴだ」と言うのはたやすいですが、
当事者としては、簡単な問題ではありません。

かわいそうなのはシカです。
餌付けをされた動物は、自分でエサを探す能力が著しく落ちてしまいます。
依存心が強くなってしまうのですね。

「楽をしたい」というのは、人間も動物も変わらないようです。

ニックネーム 福本健一 at 05:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

この記事へのトラックバック